退院したあと、ふと気づくことがあります。
「日中、何をしたらいいか分からない」
「誰とも話さない日が増えた」
「働くのはまだ怖い。でも、このまま家にいるのもしんどい…」
そんな時に選択肢に入れてほしいのが、「精神科デイケア」 です。
名前は聞いたことがあっても、 「何をする場所なの?」 「友達作りが苦手でも大丈夫?」 「行ったら無理に参加させられない?」 と、不安になる方も多いと思います。
この記事では、精神科病院のPSWの視点から、 精神科デイケアの“本当の役割”と、友達作り以外の活用法を、やさしくお伝えします。

① 精神科デイケアとは?(ざっくり言うと)
精神科デイケアは、病院やクリニックなどが提供する 「日中の通いのリハビリ(居場所+回復支援)」です。
イメージとしては、
- 家にこもりがちになるのを防ぐ
- 生活リズムを整える
- 人との距離感を練習する
- 体調を安定させる
といった目的があります。
👉 「治療の続き」でもあり 👉 「社会復帰への練習場(学校と職場の中間)」でもある そんな場所です。
② デイケアは「友達作りが苦手」でも利用できます
ここ、一番安心してほしいポイントです。 「精神科デイケアに行く = 必ず友達を作らないといけない」 というわけではありません。
- 無理に話さなくてもいい
- プログラムに参加しない時間があってもいい
- そもそも静かに過ごす人も多い
デイケアの目的は「友達を作ること」ではなく、 👉 「人の中にいても、自分が疲れない距離感をつかむこと」 (=生活と心を整えること)です。 「挨拶だけして、あとは各々好きなことをする」という関係性でも十分なんです。
③ 精神科デイケアで、実際に何をするの?
デイケアの内容は施設によって違いますが、よくあるものを紹介します。
● プログラム(例)
- 体操・ストレッチ・ヨガ
- 料理・簡単な調理
- 手芸・工作・園芸
- 音楽・アート
- SST(対人関係の練習)
- 就労準備プログラム
● フリータイム(個人活動)
実はこれが結構重要です。 「読書」「ゲーム」「塗り絵」「ただボーッとする」など、自分の好きなことをして過ごす時間を設けているところも多いです。
「学校みたいで苦手かも…」と感じる人もいますが、 無理に全部参加する必要はありません。 「午前中の料理だけ出て、午後は帰る」といった使い方も相談できます。
④ 友達作りだけじゃない!デイケアの活用法4選
ここからが本題です。精神科デイケアは、友達作り以外にもすごく現実的なメリットがあります。
① 日中の「やること(行く理由)」を作れる
退院後に一番つらいのは、時間が空きすぎることです。 「何もしていない罪悪感」や「考えすぎて不安が増える」のは、暇だからこそ起きます。 デイケアに通うだけで、「今日は行く日」という予定ができます。 👉 「着替えて外に出る理由」があるだけで、回復が進む人も多いです。
② 生活リズムが整いやすい
デイケアは、強制的に朝のリズムを作ってくれます。 「朝起きる」「身支度する」「日光を浴びる」。これらはすべて、社会復帰の土台です。
③ 栄養バランスのとれた「昼食」が出る
これ、実は隠れた大きなメリットです。 多くのデイケアでは給食(昼食)が提供されます。 一人暮らしで食事が適当になりがちな方にとって、「行けば栄養のある温かいご飯が食べられる」というのは、心身の安定に直結します。
④ いきなり働く前の「失敗できる練習場」になる
社会復帰で多い失敗が、いきなり職場で頑張りすぎて折れてしまうこと。 デイケアは、
- 週1回から通ってみる
- 疲れたら休む
- 苦手な人とどう距離をとるか試す といった実験ができる場所です。 👉 「働く前のリハビリ(安全な失敗場所)」として、とても優秀です。
⑤ 金銭的な負担は?(重要!)
「毎日通うとお金がかかるんじゃ…」と心配になりますよね。 精神科デイケアは医療保険が適用されますが、「自立支援医療制度」を使えば、自己負担額がかなり抑えられます(所得によりますが、1回数百円〜無料になることも)。
お昼ご飯代込みでこの金額なので、「家にいて光熱費と食費を使うより、デイケアに行ったほうが経済的にも楽」というケースも少なくありません。
⑥ 不安な人へ:デイケアは“行き方”を選べます
デイケアは、「がんばって馴染む場所」ではありません。
- 「ショートケア(3時間程度)」から始める
- まずは見学・体験利用だけしてみる
- プログラムには入らず、隅っこで本を読んでいるだけ
それでも大丈夫です。
👉 「その空間に慣れるまで時間がかかる」。それも含めて、支援スタッフは待ってくれます。
🌈 まとめ
精神科デイケアは、友達作りのためだけの場所ではありません。
- 退院後の孤独を減らす
- 生活リズムと栄養(食事)を整える
- 社会復帰の練習をする
そのための “家以外の居場所” です。
退院後、日中がつらい人ほど、デイケアは強い味方になります。 どうか、「こんな元気な状態で使っていいのかな」と思わないでください。
あなたが回復するための場所は、ちゃんと用意されていますよ。


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