「子どものことで手一杯なのに、親の介護の話まで出てきた」
「どちらも大事。でも、もう限界…」
「私が頑張らなきゃ、回らない気がする」
育児と介護が同時に重なる状態を、「ダブルケア」 と呼びます。
晩婚化や高齢出産が増えた今、30〜50代のいわゆる “サンドイッチ世代” にとって、これは決して珍しい状況ではありません。
この記事では、キャパオーバー寸前の方に向けて、 まず手放していい家事・役割・心の荷物を整理し、 少し呼吸が楽になる視点をお伝えします。

① ダブルケアがしんどいのは「あなたが弱いから」ではない
最初に、はっきりお伝えします。 👉 ダブルケアがつらいのは、構造的に無理があるからです。
- 育児 = 待ったなし、成長の予測がつかない
- 介護 = 正解がない、終わりが見えにくい
- 仕事 = 責任が続く
この3つを同時に抱えれば、どんなにタフな人でも限界に近づきます。
さらに、日本の制度は「子育ては子育て窓口」「介護は介護窓口」と分かれていることが多く(縦割り行政)、手続きだけでも倍の労力がかかるのが現実です。
「みんなやってるから」 「私が要領が悪いから」 そう自分を責めてしまう方ほど、実は 一人で抱えすぎている(抱えさせられている) ケースがとても多いのです。
② まず手放していい「家事」3つ
全部を完璧にやろうとすると、心も体も先に壊れてしまいます。
✔ ① 「ちゃんと作る」食事
- 毎食手作り
- 栄養バランス完璧
- 家族全員の好みに合わせる
👉 ここは最優先で手放してOK。 冷凍食品、お惣菜、宅配弁当、レトルト……これらは「手抜き」ではなく、あなたの命と時間を守るための「賢い選択」です。
✔ ② 「毎日きれい」にする家
- 毎日掃除機をかける
- 洗濯物をきれいに畳む
- 部屋をピカピカに保つ
👉 頻度を落として問題ありません。 「週1回で十分」「見える所だけ」「死ななきゃOK」。 この基準まで下げて、やっとバランスが取れるのがダブルケアです。
✔ ③ 「自分がやる前提」の家事
- 代わりはいない
- 私がやらなきゃ
👉 この前提自体を手放しましょう。 パートナーはもちろん、子ども(年齢に応じて「自分のことは自分で」)、そして便利な家電や外部サービス。 「任せる」ことは、責任放棄ではありません。チーム運営への切り替えです。
③ 次に手放していい「心の荷物」
家事以上に、ダブルケアの人を苦しめるのが、目に見えない「心の負担」です。
✔ ① 「全部ちゃんとやらなきゃ」という思い
- 良い親でいたい
- 良い子ども(嫁・婿)でいたい
👉 両立させて100点を取るのは、物理的に不可能です。 今は「どちらも50〜60点で御の字」。今日一日無事に終われば満点、くらいにハードルを下げましょう。
✔ ② 「私しかいない」という思い込み
- 親のことは自分が見るもの
- 他人に頼むのは申し訳ない
👉 実際には、支援(プロ)を使う人ほど、在宅生活が長く続きます。 プロが入ることで、親御さんも家族には言えない悩みを話せたり、気分転換になったりすることも多いのです。
✔ ③ 「弱音を吐いてはいけない」というルール
- しんどいと言えない
- 相談する余裕もない
👉 これがいちばん危険です。 弱音は、心が壊れる前の「緊急ブレーキ」です。
④ 優先順位は「子ども → 自分 → 親」でいい
この順番に、罪悪感を覚える方はとても多いです。 でも、PSWとして心を鬼にしてお伝えしたいのは——
👉 この順番で考えてみてほしいということ。
- 子ども: 自力では生きられず、未来がある存在(最優先)
- 自分: ケアの司令塔。あなたが倒れたら全て止まる
- 親: 介護保険などの「社会的な支え」がある存在
親を大切に思うからこそ、 「親のケアはプロ(制度)に任せ、自分は子どものケアと自分の休息に充てる」 という 役割分担 が必要になります。
⑤ 今すぐできる「楽になる一歩」
全部を一気に変えなくて大丈夫です。
- 今日は夕飯をお惣菜にする
- 地域包括支援センターに電話だけしてみる
- ケアマネジャーに「もう限界です」と正直に伝える
👉 「1つ」だけでいいんです。
あなたが少しでも楽になることは、結果として、家族全体の安定につながります。
🌈 まとめ
ダブルケアは、気合や努力で乗り切れる問題ではありません。
- 手放すこと
- 任せること
- 完璧を諦めること
これらはすべて、『逃げではなく“戦略”』です。
もし今、「もう限界かも」と感じているなら、 それは 「助けを使っていい(ステージが変わった)」サイン です。
どうか、一人で抱え込まないでくださいね。



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