「もう限界かもしれない」
「でも、私が休んだらこの人はどうなるの?」
介護や看病をしていると、疲れているのに休めない——そんな状態に陥る人がとても多くいます。
特に、
- 責任感が強い
- 真面目
- 周りに頼るのが苦手
そんな人ほど、「休むこと=悪いこと(サボり)」と感じてしまいがちです。
この記事では、ケアする人が“壊れないため”に必要な休息=レスパイトについて、仕組みと考え方、そして今日からできる上手な手抜き術をお伝えします。

① レスパイトとは「サボり」ではありません
レスパイト(Respite)とは、「一時休止」「休息」を意味する言葉。 介護や看病を一時的にプロに代わってもらい、ケアする人がリフレッシュすることを指します。
大切なのは、ここです👇
👉 レスパイトは、ケアの質を下げる行為ではありません。
👉 むしろ、長く続けるために“必須の仕組み”です。
人は、休まなければ
- 判断力が落ちる
- 優しさが削れる
- 小さなことでイライラして、手が出てしまいそうになる
つまり、「休めないケアは、安全に続かない」のです。
② 「休みたい」と思った時点で、十分すぎる理由がある
相談の場で、よく聞く言葉があります。 「まだ頑張れる気がするんです」 「もっと大変な人がいるので…」
でも、プロの視点から見ると——
👉 「休みたい」と思った時点で、もう十分です。
限界まで頑張った人ほど、「限界」という言葉を使いません。
- 夜眠れない
- ため息が増えた
- 小さなことで涙が出る
- 相手の声を聞くのが辛い
これらはすべて、体と心のSOSです。
③ レスパイトには、ちゃんと「制度」があります
「誰かに代わってもらうなんて無理」 「家族以外に見せるのは恥ずかしい」 そう思う方も多いですが、レスパイトは善意ではなく、誰もが使える「制度」として用意されています。
✔ 介護の場合(高齢者など)
- ショートステイ(短期入所)
- デイサービス(日帰り)
- 小規模多機能型居宅介護(泊まりも通いもOK)
👉 数時間〜数日、ケアをプロに丸投げして、旅行に行ったり寝だめしたりできます。
✔ 医療的ケアが必要な場合(難病・障害など)
- レスパイト入院
- 訪問看護の長時間利用
👉 痰の吸引や点滴など、「医療処置があって施設に預けられない」という方のために、病院が一時的に受け入れる「レスパイト入院」という仕組みがあります。 「入院=悪化」ではありません。在宅を続けるための“調整期間”です。
④ 罪悪感が消えない理由は「思い込み」にある
休めない人の多くが、こんな思い込みを抱えています。
- 私がやらなきゃ
- 代わりはいない(私ほど分かっている人はいない)
- 休んだら見捨てたことになる
でも、冷静に考えてみてください。
👉 あなたが倒れたら、その人を支えられる人は、もっといなくなります。
そして何より、「物理的に距離を取る」ことでしか、回復しない優しさがあります。 レスパイトは、見捨てる行為ではなく、「また優しく接するための充電」です。
⑤ プロが教える「上手な手抜き術」5つ
ここからは、今日からできる“罪悪感の少ない手抜き(戦略的省エネ)”をご紹介します。
✔ ① 完璧なケアを目指さない
100点 → 70点でOK。 「大きな事故や怪我がなければ合格」
👉 これは手抜きではなく、安全管理です。
✔ ② 「感情のこもらないケア」を許す
優しくできない日があっていい。笑顔じゃなくていい。 「業務」として淡々とオムツを替える。食事を出す。
👉 無表情でも、ちゃんとケアは成立しています。 自分を責めないでください。
✔ ③ 家事は「生き延びる基準」で
- 掃除しなくても死なない
- 食事は冷凍食品やレトルトで十分
- 洗濯はまとめてやる
👉 ケアと家事、両方完璧は無理です。「死なないライン」まで下げましょう。
✔ ④ 休みは「理由を作らない」
休む理由を誰かに説明する必要はありません。冠婚葬祭などの用事がなくてもいいんです。
👉 休む理由は、「疲れたから」で十分です。
✔ ⑤ 相談先を一つ持つ
- ケアマネジャー
- 地域包括支援センター
- 病院の相談員(PSW)
👉 「限界かも」と話すだけでも、心の荷物は軽くなります。
🌈 まとめ
介護や看病は、愛情がある人ほど、自分を後回しにしてしまうものです。 でも、はっきり言います。
👉 休むことは、無責任ではありません。
👉 休まないことのほうが、共倒れのリスクです。
レスパイトは、あなたが壊れずに続けるための“仕組み”。 どうか、「私が休んでいいのかな」と悩む前に、
「私はもう十分頑張っている」 そう自分に声をかけてあげてください。
あなたが笑顔を取り戻すことは、 ケアを受ける人にとっても、いちばんの安心につながりますよ。


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