夜になると、急に不安が強くなる。 胸が苦しくなる。 涙が止まらなくなる。 「消えてしまいたい」と思ってしまう——。
日中は何とか耐えられても、深夜になると気持ちが崩れやすい人は少なくありません。
そして一番つらいのは、 「この時間、誰にも相談できない(迷惑をかけてはいけない)」 と感じてしまうことです。
この記事では、精神科病院のPSWの視点から、夜に急に辛くなったときのために
- 救急車を呼ぶべき目安
- 家でできる対処法
- 深夜でもつながる専門窓口
- 家族ができる関わり方
を、安心感を大切にしながらまとめます。

① まず知ってほしいこと:夜に悪化しやすいのは“よくあること”
夜に辛くなるのは、あなたの弱さではありません。 夜は、
- 1日の疲れが出る
- 体力が落ちて思考力が下がる
- 周りが静かになり孤独が増す
こうした条件が重なりやすい時間帯です。 👉 「夜に不安が強くなるのは、脳と体の自然な反応」 と思ってください。あなたは悪くありません。
② 救急車を呼ぶ?迷ったときの考え方
深夜の不安で一番困るのが、ここです。 「救急車を呼ぶほどじゃない?」 「でも、このままじゃ危ないかも…」
迷ったときは、“気持ち”ではなく“安全”で判断するのがポイントです。
✅ 救急車(119)を呼んでいい目安
以下に当てはまる場合は、ためらわず119番通報してください。
- 自分を傷つけてしまいそうで、衝動が止められない
- すでにOD(過量服薬)や自傷行為をしてしまった
- 強いパニック(過呼吸など)で呼吸ができないほど苦しい
- 一人でいるのが危険だと感じる
👉 「呼んだら怒られるかな」と心配しないで。 👉 “今、命の安全を確保できるか” だけで判断してください。
💡 迷ったら「#7119」へ
「救急車を呼ぶべきか分からない」という時は、 「#7119(救急安心センター事業)」 に電話してみてください(※地域によります)。 医師や看護師などの専門家が、「すぐに救急車を呼ぶべきか」「朝まで様子を見ていいか」を判断してくれます。
③ 深夜の不安を乗り切る「今すぐできる対処法」
夜に辛くなったときは、正しいことを考えるよりも先に 👉 “今の大きな波をやり過ごす” ことが最優先です。
✔ ① 呼吸を「整えようとしない」
パニックのときに「落ち着かなきゃ」「深呼吸しなきゃ」と思うほど、空気を吸いすぎて苦しくなります(過呼吸)。 おすすめは、
- 「吸う」のは無視して、「息を長く吐く(ふーっ)」ことだけ意識する
👉 肺の中の空気を全部出し切れば、体は勝手に吸ってくれます。これだけで楽になります。
✔ ② 水を飲む・顔を洗う・氷を握る
「冷たい刺激」は、暴走した脳を現実に引き戻す効果があります。
- 冷たい水を飲む
- 顔を洗う
- 保冷剤や氷を手に握る
👉 体の感覚(冷たい!)に意識が向くことで、思考のループが止まりやすくなります。
✔ ③ 部屋を変える(場所チェンジ)
同じ場所で悩み続けていると、不安が増幅しやすいです。
- ベッドから出る
- トイレや洗面所に行ってみる
- とにかく「立つ」
👉 「気持ちを変える」のは難しいですが、「居場所を変える」のは簡単で効果的です。
✔ ④ “明日考える”メモ
夜の脳は、ネガティブな結論を出しやすい状態です。 不安、つらさ、罪悪感……これらは夜に大きくなります。 スマホや紙に 「明日、相談員さんに話すこと」 としてメモしておきましょう。 👉 脳が「今は解決しなくていい(保留)」と判断しやすくなります。
④ 深夜でも使える電話相談(保存版)
ここは「保存用」です。夜に辛いときは、検索する余裕がないからです。
✔ ① 精神科救急情報センター(精神科救急医療情報窓口)
これを知っておくと安心です。 各都道府県には、「夜間や休日に、緊急で受診できる精神科病院を紹介する窓口」があります。 「話を聞いてほしい」だけでなく、「今すぐ医療が必要」な時に頼りになります。 (※お住まいの地域名+精神科救急情報センター で検索し、番号を控えておきましょう)
✔ ② いのちの電話・よりそいホットライン
全国共通の相談窓口です。つながりにくいこともありますが、「話していい場所」があること自体が大切です。
⑤ 家族ができる関わり方(夜の危機編)
夜に家族が辛そうなとき、正論や説得は逆効果になることがあります。
✔ してほしいこと
- 「今つらいんだね」と認める
- 背中をさする、横に座る
- 水を渡す
- 「私が心配だから、救急車呼んでいい?」と提案する
❌ 避けたいこと
- 「落ち着いて!」と大声を出す
- 「考えすぎだよ」と否定する
- 「そんなこと(死にたい等)言わないで」と遮る
👉 本人はすでに苦しくて、どうしようもない状態です。 「ここにいていいよ」という空気を作るだけで十分です。
🌈 まとめ
夜に急に辛くなるのは、珍しいことではありません。 でも、夜の不安は一人で耐え続けるものではありません。
- 危険なら救急車を呼んでいい
- 迷ったら「#7119」
- 対処法は「波をやり過ごす」ことが目的
そして何より—— 👉 今つらい気持ちは、永遠には続きません。 必ず朝は来ますし、その波は引いていきます。
夜を越えるための手段は、ちゃんとありますからね。


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