「最近、親が元気がない」
「物忘れが増えてきた気がする」
「もしかして、認知症が始まっているのでは…?」
高齢の親を見ていると、こうした不安が頭をよぎることはとても自然なことです。
でも実は、 認知症だと思っていた症状が、治療可能な“うつ”だった というケースは、決して少なくありません。
この記事では、 高齢者の元気がないときに知っておいてほしい 「老年期うつ」と認知症の違い、 そして 家族が最初にできること を、 分かりやすさを大切にしながらお伝えします。

① 高齢者の「元気がない」は、よくある悩み
年を重ねると、
- 外出が減る
- 話す機会が少なくなる
- 活動量が落ちる
こうした変化は自然に起こります。 だからこそ、 「年相応かな」 「仕方ないのかな」 と見過ごされやすいのですが——
👉 その裏に“うつ”が隠れていることもあります。
特に高齢者のうつは、 気分の落ち込みが目立たず、別の形で現れる という特徴があるため、注意が必要です。
② 老年期うつとは?
老年期うつとは、高齢期に起こるうつ状態のことです。 原因としては、
- 退職による役割の喪失
- 配偶者や友人との死別
- 身体の病気や痛みへの不安
- 社会的な孤立
などが重なりやすい時期でもあります。
若いうつ病と違い、 「悲しい」「つらい」と言葉で表現せず、 「体調不良」や「認知機能の低下」として表れることが多いのが特徴です。
③ こんな症状があったら「老年期うつ」を疑って
● 意欲の低下が目立つ
- 何もしたがらない(億劫がる)
- 好きだった趣味に興味を示さない
- 新聞やテレビを見なくなった
● 体の不調ばかり訴える
- 「ここが痛い」「眠れない」と訴えが増える
- 検査をしても異常がないのに不調が続く
- 食欲が極端に落ちる
👉 高齢者のうつは「心のつらさ」より「体のつらさ」が前面に出やすいです。
● 物忘れを気にしすぎる(ここがポイント!)
- 「自分はもうダメだ」
- 「ボケたかもしれない」と深刻に悩む
- 質問に対して『分からない』と投げやりに答える
👉 うつの人は、物忘れを「強く自覚」し、悲観的になりやすい特徴があります。
④ 認知症と老年期うつの違い(家族が気づきやすいポイント)
とても大切なポイントを、分かりやすく整理します。
🔍 ① 本人の自覚
- 老年期うつ: 「忘れる」「できない」と強く気に病む。
- 認知症: 忘れていることへの自覚が乏しい、または「歳のせい」とあっけらかんとしていることが多い。
🔍 ② 質問への反応
- 老年期うつ: 考えるのが億劫で、すぐに「分からない」「知らない」と答える。
- 認知症: 「あー、あれね」などと話を合わせたり、取り繕ったりすることがある。
🔍 ③ 日による波
- 老年期うつ: 朝方に調子が悪く、夕方になると少し元気になるなど、1日の中で波がある。
- 認知症: 比較的一定しているが、夕方になると不安が強まることがある。
🔍 ④ 治療の反応
- 老年期うつ: 適切な治療により、改善する可能性が高い。
- 認知症: 進行を緩やかにする治療やケアが中心。
👉 つまり、 「うつであれば、適切な治療で以前の元気を取り戻せる可能性がある」 という点が、とても重要な希望です。
⑤ 家族が「最初に」できること
「じゃあ、何からすればいいの?」 そう思った方へ。
✔ いきなり「認知症」と決めつけない
「ボケたんじゃない?」 「年だから仕方ない」 こうした言葉は、不安の中にいる本人を深く傷つけてしまうことがあります。 まずは「今はエネルギー切れの状態かもしれない」と考えてみてください。
✔ まずは医療につなぐ
おすすめは、
- かかりつけ医
- 内科
- 精神科・心療内科(もの忘れ外来など)
いきなり精神科がハードル高ければ、まずはかかりつけ医に相談を。
👉 「最近元気がない」「食欲や睡眠が落ちている」 と、生活の変化として伝えるのがポイントです。 (※脱水や薬の副作用など、体の問題がないかも診てもらえます)
✔ 家族だけで抱え込まない
- 地域包括支援センター(高齢者の総合相談窓口)
- 病院の相談員(PSW)
まずは、気になった時点で聞いてみましょう。
👉 「認知症か、うつか分からないけれど心配」 という段階で相談して大丈夫です。
🌈 まとめ
「最近、親がボケてきたかも…」 そう感じたとき、それは悪い予兆ではなく、“ケアが必要なサイン” かもしれません。
- うつと認知症は、症状が似ることがある
- 老年期うつは、治療で改善する可能性がある
- 「分からない」と投げやりになっていたら要注意
そして何より——
👉 家族が「いつもと違う」と気づいたこと自体が、すでに大切な一歩です。
どうか、「もう年だから」と諦めず、 治療につながる可能性を残してあげてくださいね。


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