「診察が終わって待合室に出た瞬間に、聞きたいことを思い出した…」 「先生を目の前にすると、緊張して言葉が出なくなる」 「忙しそうだから、早く終わらせなきゃと遠慮してしまう」
精神科や高齢者外来に通っている方から、こうした声を本当によく聞きます。
・聞きたいことが言えない ・一番困っていることを伝えきれない ・家に帰ってから「あれも言えばよかった」と後悔する
でも、まず最初にお伝えしたいことがあります。 👉 医師は、あなたの「本当の困りごと」を知りたいと思っています。
限られた診察時間(5分間)を最大限に活かし、焦らずに伝えるために役立つのが、とてもシンプルな方法。 👉 「メモ」を書いて、診察に持っていくこと です。
この記事では、精神科病院のPSWの視点から、 ✔ 診察前に準備しておくと安心なメモ ✔ 医師に伝わりやすい書き方 ✔ 診察時間を有効に使うコツ をやさしく紹介します。

① 診察は、思っているより緊張するもの
診察室に入ると、 ・頭が真っ白になる ・うまく順序立てて説明できない ということは、誰にでも起こる珍しくないことです。
特に精神科では、不安感が強かったり、頭がぼーっとしたりする症状自体があるため、👉 「体調のことを言葉にするのが難しくて当然」 なのです。
「うまく話せなかった」と落ち込む必要はありません。 むしろ、👉 「話せないからメモを使う」というのは、とても理にかなった自然な工夫 です。
② “魔法のメモ”の書き方(3つのポイント)
メモは、長い文章や日記である必要はありません。 むしろ、👉 「短い箇条書き」 にまとめるのが、医師にパッと伝わるポイントです。
書くことに迷ったら、次の3つを書いてみてください。
✔ ① 生活の基本(睡眠・食欲) ✔ ② 薬について気になること(副作用や余り) ✔ ③ 今、一番困っていること
📝 メモの例
- 【睡眠】夜中に2回目が覚めて、その後眠れない
- 【薬】昼間に眠気が強くてつらい。薬が3日分余っている。
- 【困りごと】体が重くて、家事が全く手につかない
このように、箇条書きで書くだけで十分な「魔法のメモ」になります。
③ 診察で伝えるときのコツ
メモを使うときは、読み上げる必要すらありません。 診察の最初に、 👉 「今日はうまく話せそうにないので、メモを書いてきました」と言って、先生に直接渡してしまう のが一番おすすめです。
多くの医師は、「いいですね、見せてください」と受け取り、それをカルテに書き写しながら話を進めてくれます。
全部を口で説明しようとしなくても大丈夫。メモを見ながら、先生からの質問に答える形で、自然と会話が進んでいきます。
④ 家族がメモを作るのも大歓迎です
ご本人が自分の体調を客観的に見るのが難しい場合(特にご高齢の方や、認知症の不安がある場合など)は、 👉 ご家族がメモを書いても全く問題ありません。
- 最近の様子(昼間ずっと寝ている、怒りっぽくなった)
- 食事の量が変わった
- 薬を飲み忘れることが増えた
こうした「家族から見た客観的な変化」は、医師にとって治療方針を決めるためのものすごく重要な情報になります。
💡 【PSWからの裏技】 「本人が嫌がるから、診察室に一緒に入れない」「本人の前では言いにくい」という場合は、👉 診察前に、こっそり受付のスタッフに家族からのメモを渡しておく という方法もあります。「先生に渡してください」と伝えておけば、事前に医師の目に入りますよ。
⑤ メモは「完璧」でなくて大丈夫
「先生に見せるから、きれいにまとめないといけない」と思う方もいますが、 👉 チラシの裏への走り書きでも、スマホの画面を見せる形でも大丈夫です。
むしろ、そのときに感じたことをそのまま書くほうが、医師にとってリアルな状態が伝わることもあります。
- 「つらい」
- 「死にたい気持ちになる」
- 「何もしたくない」
文章にならなくても、こうした単語の羅列だけでも、十分大切なSOSの情報です。
⑥ 診察は「薬をもらうだけ」の時間じゃない
精神科や高齢者外来の診察は、ただ薬を調整するだけでなく、生活や体調について一緒に作戦会議をする時間でもあります。
もし「こんなこと聞いていいのかな」「些細なことかも」と思うことがあっても、 👉 遠慮せず、メモに書いてみてください。
医師や私たち相談員(PSW)は、患者さんの生活が少しでも楽になるように、一緒に考えるためにそこにいます。
🌈 まとめ
診察時間が短いと、どうしても「うまく話せなかった」「先生を困らせちゃったかな」と感じることもあるかもしれません。
そんなときは、 👉 「メモを渡す」 という小さな工夫をしてみてください。
- 睡眠や食欲のこと
- 薬の副作用や余り
- 今一番つらいこと
これを書くだけで、5分間の診察はぐっと密度の濃い、有効な時間に変わります。 無理に上手に話そうとしなくて大丈夫。メモという相棒と一緒に、少しずつご自身の体調や気持ちを伝えていきましょうね。


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