#13 障害年金は「働きながら」でももらえる?
~受給要件と就労の意外な関係(〇×クイズ付き)~

医療のヒント

「働いたら、障害年金って止まるんですよね?」

「少しでも収入があると、もらえなくなるって聞きました」

「年金をもらうなら、働くのを諦めるしかないのかな…」

精神科PSWとして相談を受けていると、この誤解は本当に多いと感じます。

まず結論からお伝えします。

👉 障害年金は、“働いている=即もらえない”制度ではありません。

ただし、いくつかの大事な条件や例外もあります。

この記事では、

  • 働きながら障害年金を受け取れるのか
  • どこが判断ポイントになるのか
  • よくある誤解

を、〇×クイズを交えながら、やさしく整理します。


まずは挑戦!〇×クイズで誤解をチェック

❓ クイズ①

「障害年金は、働き始めたら必ず止まる」

👉 正解は…… ×(バツ)

基本的に、障害年金は「働いているかどうか」だけで判断される制度ではありません。

見られているのは、

  • 日常生活にどの程度支障があるか
  • 働くうえで、どれくらい配慮や制限が必要か

という “生活・就労の実態” です。

⚠️ 【ひとつだけ注意!】 初診日が「20歳前」にある障害基礎年金(20歳前傷病)を受け取っている場合に限り、一定以上の年収(目安:370万円〜470万円程度※)を超えると、年金の一部または全額が停止される「所得制限」があります。 (※通常の障害年金には、この所得制限はありません)

❓ クイズ②

「フルタイムで働いていたら、障害年金はもらえない」

👉 正解は…… △(ケースによる)

フルタイム勤務=即不支給、ではありません。

例えば、

  • 職場で多くの配慮を受けている(業務量の調整など)
  • 欠勤や早退が多く、安定していない
  • 単純な業務に限定されている
  • 周囲の支援がないと業務が続かない

こうした場合は、フルタイムであっても「労働能力に制限がある」とみなされ、受給が認められる(継続できる)ケースがあります。

❓ クイズ③

「障害年金は“働けない人”のための制度である」

👉 正解は…… ×(バツ)

障害年金は、「まったく働けない人」だけの制度ではありません。

本来の目的は、

👉 障害による生活のしづらさを“お金の面で補う”こと

たとえ働けていても、

  • 生活に余裕がない(短時間しか働けないなど)
  • 体調維持に通院やケアのコストがかかる
  • 働き続けるために誰かの支えが必要

こうした状況なら、制度の対象になり得ます。

特に「障害厚生年金3級」などは、働きながら受給されている方も多くいらっしゃいます。


障害年金で本当に見られているポイント

多くの人が誤解していますが、審査で重視されるのは「収入額」そのものではありません(※20歳前傷病を除く)。

主に見られるのは——

✔ 日常生活の状態

  • 家事が一人でできるか
  • 外出や金銭管理はどうか
  • 対人関係の困難さ
  • 服薬や通院の必要性

✔ 就労の実態

  • 勤務時間・日数
  • 業務内容の制限や配慮の有無
  • 欠勤・休職の頻度
  • 職場の支援がないと続かないか

👉 「どれだけ無理をして働いているか(配慮があるか)」

👉 「安定して生活できているか」

ここが見られています。


よくある不安に答えます

Q. 働き始めたら、すぐ申告しないとダメ?

👉 原則、次回の「更新時」にありのままの状況を伝えれば大丈夫です。

ただし、障害の状態が劇的に良くなった場合などは手続きが必要なこともあります。不安な場合は、年金事務所や社労士、主治医、PSWに相談しましょう。 特に更新時の診断書では、「職場でどんな配慮を受けているか」を医師にしっかり伝えて記載してもらうことが重要です。

Q. 少しバイトするだけでも危険?

👉 少額・短時間の就労だけで即停止になることは、ほぼありません。

むしろ、リハビリ的な就労や、就労継続支援(A型・B型)などの福祉的就労であれば、「支援を受けながら働いている」という事実として扱われます。

Q. 働きながらもらうのはズルい?

👉 ズルではありません。

制度は「働きたい気持ち」と「生活の安定」を両立させるために用意されています。 「働いているから年金はいらないでしょ」ではなく、「働き続けるために年金という支えが必要」という考え方で作られています。


PSWの視点:いちばん伝えたいこと

現場で感じるのは、 「年金があるから働かない」人より、

「年金があるから“安心して働ける”人が圧倒的に多い」 ということです。

  1. 年金がある → 生活費のプレッシャーが減り、無理をしなくて済む
  2. 無理をしない(時短勤務など) → 体調が安定する
  3. 体調が安定する → 細く長く働き続けやすい

👉 これは依存ではなく、安定のための土台です。


🌈 まとめ

障害年金と就労は、 「どちらかを選ばなければいけない関係」ではありません。

  • 働きながらも受給できる可能性はある
  • 見られるのは“生活と就労の実態(配慮の有無)”
  • 働く意欲があること自体は、マイナスではない

もし今、 「働きたいけど、お金が不安で踏み出せない」 と感じているなら——

👉 制度を“ブレーキ”ではなく“支え”として考えてみてください。

迷ったら、

  • 年金事務所
  • 社会保険労務士
  • 病院のPSW

に相談しながら、あなたに合った形を一緒に探していけば大丈夫です。

あなたの「働きたい」という気持ちも、

「安心して暮らしたい」という気持ちも、

どちらも大切にしていきましょうね。

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