「何日もお風呂に入れない」
「部屋が散らかっているのに動けない」
「洗濯もご飯もできない」
そして最後に、こう思ってしまう。 「私は怠けているのかな…」
でも、PSWとして最初にはっきりお伝えします。 👉 それは怠けではありません。 👉 それは病気の“症状”です。
うつや不安障害、統合失調症、発達特性などがあると、“生活の当たり前”をこなすことが、とてつもなく重労働になります。
この記事では、
- なぜ生活が回らなくなるのか
- 自分を責めなくていい理由
- 居宅介護(ヘルパー)という支援
- どんなことを頼めるのか、お金や利用の流れ
を、安心感を大切にしながら解説します。

① 「できない」は意志の問題ではない
うつ状態やエネルギーが枯渇した状態になると、
- 決断力が落ちる(何から手をつければいいか分からない)
- 体が鉛のように重くなる
- 先延ばしが止まらない
- 何もかもが面倒になる
これは“やる気不足”や“性格”ではなく、 👉 脳のエネルギー低下によるSOSです。
お風呂に入れないのも、掃除ができないのも、 「やらない」のではなく「できない」状態 なのです。 ここを間違えると、自分をどんどん追い込んでしまいます。
② 生活が崩れると、さらに悪化しやすい
生活が乱れると、次のような悪循環に陥ります。
- 部屋が荒れる・お風呂に入れない
- 睡眠や食事が不規則になる・服薬が抜ける
- 「こんなこともできない自分はダメだ」と自己肯定感が下がる
- さらに動けなくなる
だからこそ、 👉 生活を“人の手で支えてもらう”ことは、甘えではなく「治療の一部」です。
③ 居宅介護(ヘルパー)ってどんな支援?
「居宅介護」は、障害福祉サービスのひとつです。 簡単に言うと、 👉 自宅にヘルパーさんが来て、生活を直接手伝ってくれる支援 です。
※前回紹介した「訪問看護」が体調や服薬のチェック(医療)だとすれば、「居宅介護」は実際の掃除や調理などを手伝ってくれる(生活)サービスです。
④ どんなことをお願いできるの?
例としては、大きく分けて3つあります。
🟢 身体介護
- 入浴の声かけや見守り(お風呂に入るきっかけ作り)
- 着替えのサポート
- 食事の介助
🟢 家事援助
- 掃除、ゴミ捨て
- 洗濯
- 調理、食材の買い物
🟢 「一緒に」行うサポート(精神科特有!)
実はこれがすごく重要です。
- 一緒に片付ける
- 一緒に料理をする
- 買い物に同行してもらう
一人では動けなくても、「ヘルパーさんが来てくれるから、一緒に立ち上がって動ける」 という方はとても多いです。 👉 「全部やってもらう」だけでなく、「一緒に回す(生活のリハビリ)」 という使い方ができます。
⑤ 「ヘルパーは重い人が使うもの」ではない
これもよくある誤解です。 「寝たきりの人だけ」「介護が必要な高齢者だけ」のものではありません。精神疾患の方も、もちろん利用できます。
そして大事なのは、 👉 生活が完全に破綻してからではなく、破綻する前に使う方が回復が早い ということです。「ゴミ屋敷になってから」ではなく、「ゴミ捨てがしんどくなってきた」段階で頼っていいんです。
⑥ 「怠けじゃないの?」と迷う人へ
ここが、この記事で一番伝えたい部分です。
あなたが本当に心の底から怠けているなら、 こんなに自分を責めません。こんなに苦しみません。
「やらなきゃいけないのに…」という罪悪感がある時点で、あなたは決して怠けていません。一生懸命生きようともがいている証拠です。
ヘルパーを使うことは、 👉 甘えではなく、あなたがあなたらしく生きるための「回復への戦略」です。
⑦ お金はどれくらいかかる?
居宅介護などの障害福祉サービスは、原則1割負担ですが、ここも安心してください。
- 収入によってひと月の「支払い上限額」が決まっています。
- 生活保護や、市民税非課税世帯(障害年金のみの収入など)なら、自己負担は「0円」です。
多くの方は、 👉 月0円〜数千円程度 で利用しています(※お住まいの市町村により軽減制度があります)。
⑧ 利用までの流れ
福祉サービスなので、役所での手続きが必要です。
- 主治医やPSWに「ヘルパーを使ってみたい」と相談する
- 相談支援専門員(計画を立ててくれる人)につながる
- サービス等利用計画を作る
- お住まいの市役所・町役場で「受給者証」の申請をする
- ヘルパー事業所を選んで契約する
- 利用スタート!
👉 いきなり知らない人がドカドカ入ってくることはありません。 まずは面談をして、「何を手伝ってほしいか」「どんな人が来るか」をすり合わせてから始まります。
🌈 まとめ
「お風呂に入れない」 「部屋が荒れる」
それは、あなたの人格や性格の問題ではありません。 生活がしづらいときは、 👉 人の手を借りて、支えてもらっていいんです。
居宅介護(ヘルパー)は、“怠けの証拠”ではなく、“回復への道具”です。 どうか一人で抱え込まず、まずは病院のPSWや相談窓口で「生活が回らなくてつらい」と伝えてみてくださいね。


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