#25 「実家を出たいけど、一人は不安…」
~精神科グループホームの生活実態と、入居にかかるお金の話~

医療のヒント

「親元を出たい。でも一人暮らしはまだ自信がない」 「体調に波があるし、生活が崩れそう」 「グループホームって共同生活でしょ? 人間関係が怖い…」 「そもそも、お金はいくらかかるの?」

こうした悩みは、決して珍しくありません。 精神疾患がある人にとって、実家を出ることは

  • 自立したい気持ち
  • 家族関係の負担(距離)を減らしたい
  • 生活リズムを立て直したい

という、とても自然で前向きな希望です。

この記事では、精神科のグループホーム(障害者グループホーム)の実際の暮らし、よくある不安、入居までの流れ、そして生活費の目安(現実的なシミュレーション)を、安心感を大切にしながらまとめます。


① 精神科グループホームとは?(ざっくり)

精神科グループホームは、障害福祉サービスの一つで、正式には「共同生活援助(グループホーム)」と呼ばれます。

イメージとしては 👉 「一人暮らしの練習ができる家」 👉 「困った時に、すぐそばに支援がある住まい」 です。

完全な病院でもなく、管理された施設でもなく、あくまで “地域の暮らしの場所(アパートや一軒家)” です。


② 実際の生活はどんな感じ?(タイプ別)

グループホームには種類がありますが、精神疾患の方が利用する場合、よくある形は次の2つです。

● ① 共同型(シェアハウスに近い)

  • 一軒家などを借り上げ、2〜7人程度で生活
  • トイレ・お風呂・キッチン・リビングは共有
  • 自分の部屋(個室)には鍵がある
  • 夜間もスタッフがいることが多い

● ② サテライト型(ほぼ一人暮らし)

  • グループホーム本体の近くにあるアパート等で暮らす
  • お風呂もトイレも自分専用
  • 必要な時だけスタッフが巡回に来る
  • 「共同生活が苦手だけど、完全な一人暮らしは不安」な人向け

👉 最近はこのタイプも増えており、「一人暮らしへの最終ステップ」として人気です。


③ よくある不安①:共同生活がしんどそう…

これは一番多い不安です。 「入居者同士で仲良くしなきゃいけないの?」 「トラブルになったらどうしよう」

結論から言うと、 👉 「無理に仲良くする必要はありません」。

グループホームは「友達を作る場所」ではなく「生活する場所」です。 「挨拶だけして、あとは自室で過ごす」という距離感の人もたくさんいます。

もし合わない人がいたり、音が気になったりする場合は、

  • 「我慢」ではなく「調整(部屋の移動やホームの変更)」 が基本です。スタッフ(世話人)に相談すれば、調整に入ってくれます。

④ よくある不安②:ルールが厳しい?

最低限のルールはありますが、“刑務所のように管理される”わけではありません。

  • 門限: ある所もありますが、「遅くなるなら連絡してね」程度の所も多いです。
  • 服薬・金銭: 「飲み忘れがないか確認」「使いすぎないよう相談」など、管理というよりサポートです。

👉 「あなたの生活を守るためのセーフティネット」 と思ってください。


⑤ よくある不安③:どこまで助けてもらえるの?

ここが大事です。 グループホームは「何でもやってくれるホテル」ではなく、 「困った時に手伝ってくれる住まい」 です。

支援内容の例

  • 服薬の声かけ、セットの確認
  • 「眠れない」「不安だ」という時の相談
  • 食事の提供(朝・夕食が出るホームが多いです)
  • 体調悪化時の病院との連携

👉 「全部一人で背負わなくていい」 という安心感が、症状の安定につながります。


⑥ 入居までの流れ(ざっくり)

  1. 主治医やPSW、相談支援専門員に「興味がある」と相談
  2. 見学に行く(雰囲気を見る)
  3. 体験利用をする(ここが重要!)
  4. 「ここなら住めそう」と思ったら契約・申請
  5. 入居スタート

👉 いきなり契約ではなく、「数日間のお泊まり体験」ができるのが最大の安心ポイントです。


⑦ いちばん気になる「お金の話」

ここからが本題です。 「障害年金だけで足りるの?」「親に頼れないんだけど…」

グループホームの費用は、主に以下の要素で構成されます。

  1. 家賃(※国や自治体から補助が出る場合が多いです)
  2. 食費・光熱費・日用品費
  3. 障害福祉サービス利用料

【⚠️超重要ポイント】 障害福祉サービス利用料は、原則1割負担ですが、 「生活保護」や「市民税非課税世帯(障害年金のみの収入など)」の場合、負担上限額は「0円」になることがほとんどです。 つまり、実質かかるのは「家賃・食費・光熱費」の実費分だけ、というケースが多いのです。


⑧ 生活費の目安(現実的なシミュレーション)

※地域やホームによって差があります。あくまで目安として見てください。 (※サービス利用料が0円の場合の試算です)

🟦 パターンA:家賃が安めのホーム(共同型など)

  • 家賃:25,000円(※ここから補助が出ることも)
  • 食費:28,000円(朝夕提供あり)
  • 光熱費:10,000円
  • 日用品・雑費:5,000円
  • ✅ 合計:約68,000円/月

🟩 パターンB:設備が充実したホーム(新築など)

  • 家賃:45,000円
  • 食費:35,000円
  • 光熱費:12,000円
  • 日用品・雑費:5,000円
  • ✅ 合計:約97,000円/月

🟨 パターンC:サテライト型(ほぼ一人暮らし)

  • 家賃:50,000円(アパート家賃相当)
  • 食費:25,000円(自炊・弁当)
  • 光熱費:10,000円
  • 日用品・雑費:5,000円
  • ✅ 合計:約90,000円/月

⑨ 「払えないかも…」と思った時に知ってほしいこと

「月7万〜10万なんて無理!」と思った方へ。 ここが希望ポイントです。

グループホームには、負担を軽くする制度があります。

  1. 特定障害者特別給付費(家賃補助) 👉 国から月額1万円が家賃補助として支給されます(対象要件あり)。
  2. 自治体の家賃補助 👉 さらに市町村が独自に数千円〜数万円を上乗せ補助してくれる地域もあります。
  3. 生活保護の住宅扶助 👉 収入がない場合、生活保護を受給しながらグループホームに入居することも可能です。

👉 「お金がないから無理」と諦めず、まずは「私の収入だと、いくらで入居できますか?」とPSWや相談員に聞いてみてください。


🌈 まとめ

精神科グループホームは、「一人暮らしが不安な人」が安心して自立を目指すための“ステップアップの住まい”です。

  • 共同生活が苦手なら「サテライト型」もある
  • いきなりではなく「体験利用」ができる
  • 国の補助や制度を使えば、障害年金の範囲内で暮らせることも多い

そして何より—— 「実家を出たい」と思ったあなたは、もうすでに一歩進んでいます。

焦らなくて大丈夫。 まずは「見学だけ」から、新しい暮らしのイメージを広げてみませんか?

コメント

タイトルとURLをコピーしました